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(その2/2)「お祝いできへんぐらいやったら、家なんか建てんな!」

1 日前
読了時間: 6分

 20年ほど前、マンションを売却して、大阪市港区にある築25年ほどの中古住宅を購入しました。


 当時の私は、父が営む工務店の仕事をしていたこともあって、自分の家を建てたいと思っていました。


 お互いが納得する土地を、夫婦でかなり探して回りました。


 でも、土地って欲しい時に都合よく出てこないんですよね。


 そんな時、妻が今の家を見つけてきました。


 新築を目指していた私は、いやいや対応していたと思います。


 土地面積には満足しました。


 ただ、私が見る限り、住宅部分にはそれほど価値がない。それなのに、結構いい値段がついていました。


「これぐらいの価値しかないで」


 と言う私に、妻は、


「ここがいい。リフォームしたらいいやん」


 と譲りませんでした。


中古住宅の前で、家を気に入ったまーちゃんと少し戸惑うたっちゃん


目次




一度は縁が切れた家


「じゃあ、この値段で交渉しよう」


 そう言って、不動産業者に乗り込みました。


 でも、不動産業者はまだ高く売れると思っていたのでしょう。なかなか値段を譲りません。


 そんなことをしているうちに、


「別の方が購入することになりました」


 と連絡がありました。


 もともとそれほど気に入っていなかった私は、


「まあ、縁がなかったな」


 ぐらいに思っていました。


 ところが1か月ほど経った頃、その中古住宅がまた売りに出ていました。


 どうも、別の方とも縁がなかったんでしょうね。


 それを見つけた妻が、


「コレは私たちが買うというご縁や。この値段で買う!」


 と言い出しました。


 そうして、今の家を購入することになりました。


「古い家でも、ここまでできる」をやってみる


 その一角は袋小路になっていて、同じような形の建物が10軒ほど並んでいます。


 25年前の「建売住宅」です。


 1階部分は、2mほどのコンクリート造の駐車場。その上に木造2階建てが載ったような、見た目には3階建ての住宅です。


 今見ると、


「怪しいもんです」


 と思うところもあります。


「古い家でもリフォームでここまでできる!」


 を見せるには、もってこいでもありました。


 私も気持ちを切り替えて、リフォームすることにしました。


 普段、お客様には、


「これ、いいですよ」


 なんて言っています。


 でも、自分がおすすめしている提案や仕様で、自分自身が暮らすのは初めてです。


 本当に私は、お客様にいいモノをおすすめしていたのか。


 そんな実験的な意味もあり、いろいろ挑戦しました。


 ユニットバスではないお風呂を3階に造りました。


 いまだに水漏れさせてないのは、自慢です。


 キッチンも自分で造りました。


 使っていくうちに扉が外れたり、金物が壊れたり。


 リビングの天井も一段上げて、その上の部屋も小屋裏部屋のように造りました。


 好きに造らせてもらったので、面白いところもたくさんあります。


 その反面、


「コレ、失敗や」


 と、中途半端なまま残っているところもあります。


「自分の家や。好きにさして」


 そんな中途半端な完成だったので、


「まだここができてない」


「ここも直したい」


 と、完成披露をする気になれず、ずるずると引き延ばしていました。


 そんな私に、父が一言。


「お祝いできへんぐらいやったら、家なんか建てんな」


 最初は腹が立ちました。


「自分の家や。好きにさして」


 そう思いました。


 自分で買った家です。


 自分で直して、自分たちが住む家です。


 いつ人を呼ぶのかも、自分で決めたらいい。


 当時の私は、そんなふうに思っていました。


自分しか見えてなかったなぁ


 でも今になって思うと、家って違うんですよね。


 妻もそうです。


 両親もそうです。


 特に、二人の両親は、私たちが家を持ったことをお祝いしてあげたかったんですよね。


 私は、


「まだ完成していない」


「人に見せられる状態じゃない」


 と、自分のことばかり考えていました。


自分しか見えてなかったなぁ。


 残念ですが、この家で正式なお祝いをすることはありませんでした。


 人が集まれるようにと考えた家なのに。


 皮肉なもんです。


でも、気がつけば人が集まる家になっていた


 正式なお祝いはしませんでした。


 でも、その後、この家には本当によく人が集まりました。


 幼稚園のママ友。


 子どものスポーツ仲間の保護者。


 PTAソフトボールの仲間。


 子どもたちが友達を泊まりに連れてくることもありました。


 うちは、子どもが友達を泊まりに呼ぶのは歓迎です。


 長女の成人式の時には、10人以上が三次会で我が家に集まりました。


 振り返ると、完成披露こそしなかったけれど、


 人が集まって、


 食べて、


 しゃべって、


 笑って、


 一緒に時間を過ごす。


 そんな家には、なっていました。


人が集まる家は、私が得意な家です


 今、私がお客様の家を考える時、最初から、


「人が集まる家にしましょう」


 と決めることはありません。


 まずは、お客様の意向を聞きます。


 どんな暮らしがしたいのか。


 誰と、どんな時間を過ごしたいのか。


 そこから考えます。


 その中で、


「人が集まる家にしたい」


 というご希望があれば、それは私が得意としている家づくりの一つです。


 家族や友達、仲間と過ごす、かけがえのない時間。


 私は、そんな時間を過ごせる場所づくりが得意なんだと思います。


 父に言われた、


「お祝いできへんぐらいやったら、家なんか建てんな」


 という言葉。


 あの時は腹が立ちました。


 でも20年経った今も、その言葉が残っています。


 家は、自分だけのものではない。


 そこに暮らす家族。


 遊びに来る友達。


 お祝いしてあげたいと思ってくれる両親。


 そんな人たちとの時間まで含めて、


 家なのかもしれません。



人が集まる家を考えている方へ


 「友達がよく遊びに来る家にしたい」


 「子どもの友達も気軽に泊まりに来られる家がいい」


 「家族や仲間と食事を楽しめる場所をつくりたい」


 そんな希望があるなら、最初から間取りを決める必要はありません。


 まずは、誰と、どんな時間を過ごしたいのか。


 そこから考えてみると、その家に必要な広さや場所のつながり方が少しずつ見えてきます。


 かねしょうでも、まずお客様の意向を聞くところから始めます。


 まだ答えが決まっていなくても大丈夫です。


 どんな暮らしがしたいのか、一緒に整理していきましょう。








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