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家族は、ずっと同じ距離では暮らさない

4 日前
読了時間: 5分

更新日:3 日前

 「夕飯2人やわ。どうする?」


 つい先日、仕事から帰ると、妻にそう聞かれました。


 長女は看護師として働き、職場の同僚や先輩、同級生と食事に行ったり、旅行に行ったりするようになりました。長男は家を出て一人暮らし。次女は大学に通いながらラクロスとアルバイト。次男はまだ中学生ですが、塾で帰りが遅い日もあります。


 その日は結局、妻と2人で近所へ食事に行きました。


 私たちは2人ともお酒が好きなので、夫婦2人で食事に行くのも楽しい時間です。


 でも、やっぱり少し寂しい。

子どもが巣立ったあとの食卓で穏やかに過ごす夫婦
二人になっても、家族の時間は続いていく。

 家族6人で囲んでいた食卓と比べると、家の中が静かになったなと感じることがあります。


 家族は、ずっと同じ距離では暮らさない。


 最近、そのことを自分の暮らしの中で感じるようになりました。そして家づくりも、「今の家族」だけではなく、これから変わっていく家族の姿まで少し想像しておくことが大切なのではないかと思っています。



目次



夫婦2人だった時間は短かった


 結婚して1年半ほどで長女が生まれ、その後も2年おきくらいに子どもが生まれました。


 我が家には4人の子どもがいます。


 振り返ってみると、妻と2人だけで暮らした時間は長くありません。


 6人でご飯を食べて、しゃべって、時にはうるさいくらいの毎日。


 それが我が家の普通でした。


 だから、少しずつ食卓に座る人数が減っていくと、やっぱり寂しさはあります。


寂しさと、うれしさは一緒にある


 でも、それは悪いことではありません。


 子どもたちが、それぞれ自分の人生を歩き始めたということでもあります。


 仕事をして、人と出会って、家を出て、自分で暮らす。


 これから先、楽しいことばかりではないと思います。自分で決めて、失敗することもあるでしょう。それでも、自分の人生は自分で背負って生きていく。


 親としては寂しい。


 でも、それぞれの世界を持つようになったことは、やっぱりうれしいことでもあります。


 「頑張れよ」


 そんな気持ちで見ています。


 家族がそろう時間が減っていく寂しさと、子どもたちが自分の人生を歩いていく喜び。


 今の私には、その両方があります。


家族の距離は変わっていく


 家づくりをするとき、どうしても今の家族を基準に考えます。


 子どもが小さいから、みんなで過ごせるリビングが欲しい。


 子ども部屋も必要。


 家族みんなで囲める大きなテーブルも欲しい。


 もちろん、その時の暮らしを大切にすることは必要です。


 でも、家は長く使います。


 家を建てるのは一年ほど。その家と暮らすのは何十年。


 その間に、家族の人数も変わるし、お互いの距離も変わっていきます。


 小さい頃は、なるべく一緒にいたい。


 大きくなると、それぞれ自分の時間が必要になる。

明るいリビングダイニングで、母はキッチンでお盆を持ち、父は本を読み、娘は勉強、息子は積み木で遊ぶ家族の団らん
同じ家の中で、それぞれの時間を心地よく。

 やがて家を出る。


 そして、夫婦2人で過ごす時間が増えていく。


 でも、お正月やお盆には帰ってくる。


 そのうち彼氏や彼女を連れてくるかもしれません。結婚して、孫を連れて帰ってくる日もあるかもしれません。


 そうなれば、またみんなで食卓を囲む。


 家族の距離は変わっても、家族でなくなるわけではありません。


今だけに合わせすぎない家づくり


 だから私は、家づくりも「今」に合わせすぎなくていいと思っています。


 今6人だから、ずっと6人で暮らす前提で考える。


 子どもがいる間だけを見て、部屋の役割を決めてしまう。


 そうではなくて、


 「この家族は、これからどう変わっていくんだろう。」


 そこまで少し想像してみる。


 家族が多い時には、みんなで心地よく過ごせる。


 夫婦2人になった時には、2人の暮らしを楽しめる。


 また子どもたちが帰ってきた時には、みんなが集まれる。


 間取りを考えるときも、今必要な部屋の数だけではなく、「この場所は10年後、20年後にどう使えるだろう」と考えておくと、選択肢は変わってくると思います。


 特に大阪市港区のように限られた敷地の中で家を考えることが多い地域では、ただ広くするのではなく、一つの空間を長く生かす工夫も大切です。


 家族は、ずっと同じ距離では暮らしません。


 それは少し寂しいことでもあります。


 でも同時に、子どもたちが自分の人生を歩き始めた喜びでもあります。


 家族が変わっていくことを寂しがるだけではなく、その変化を応援できる。


 そして、いつでも帰ってこられる場所がある。

家族と両親と成長した子どもたちや孫が食卓を囲む様子
離れても、帰ればまた同じ食卓を囲める。


 私は、そんな家であればいいなと思っています。



これからの家族まで、一緒に考える


 家づくりを始める時点で、10年後や20年後の暮らしを全部決める必要はありません。


 むしろ、決められないことの方が多いと思います。


 だからこそ、「何部屋必要か」だけではなく、


 これから家族と、どんな距離で暮らしていきたいか。


 そんなところから考えてみてもいいと思います。


 かねしょうでは、間取りや設備を決める前に、「なぜそうしたいのか」「その先でどんな暮らしをしたいのか」を一緒に整理することを大切にしています。


 まだ答えが決まっていなくても大丈夫です。


 新築、建替え、リフォーム、今の家をどう使っていくか。


 そこから一緒に考えます。




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