「リビングを広く」——その言葉の裏にある、あなたの暮らしを一緒に考えたい
- 卓哉 金城
- 4月28日
- 読了時間: 7分
家を買う前は「情報」を見ている。住んでから「暮らし」に気づく。
目次
1. 20年前、僕がリビングの広さにこだわった本当の理由

これから家を探したい、建てたいって方の参考になれば幸いです。
今から18年ほど前、僕も家を探していました。
結婚当時、「金利は今が底ですよ」という言葉に乗せられて、分譲マンションを購入。
でも工務店で仕事している私には物足りず、4年ほどで戸建てを探しました。
子どもは、5・3・1歳というタイミングでした。
物件を探すなかで、僕が一番こだわったのは「リビングの広さ」でした。
でも、それは単純に「広いほうがいいから」ではありませんでした。
父の工務店を手伝っていて「自分がリフォームした家を、人に見てほしい」という気持ちがありました。それと同時に「子どもたちが友達を招待したり、地元の同世代の家族とも仲良くなりたい」という思いも強くあって。妻も僕も食事やお酒が好きで、友達家族を呼んでわいわいご飯を食べる——そういう暮らしがしたかったんです。
だから「広いリビング」は、僕にとって単なる間取りのスペックではなく、自分たちがどう暮らしたいかという答えでした。
家を選ぶときに「リビングの広さ」を見ていたのは確かです。でも、その裏側にはちゃんと暮らしのイメージがありました。どんな人を呼びたいか、どんな時間を過ごしたいか。そこから逆算して、広さを求めていたんです。
2. 住んでみてわかった「ズレ」——お客さんの声から
これまでたくさんのお客さんと話してきて「住んでみて初めてわかった」という声をよく聞きます。いくつか紹介します。
「コンセントの位置をもっとよく考えておけば良かった」

家電製品が増えましたよね。掃除機や自転車などもバッテリーの充電が必要なのに「スマホを使いながら充電したいけど、いい場所にコンセントがなくて」「玄関周りにコンセントがない」などよく聞く話です。
「マンションより、ずっと寒かった」
マンションから一戸建てに引っ越した方に多いのが、冬の寒さへの驚きです。マンションは上下・隣との壁が断熱代わりになっていますが、一戸建ては外気に囲まれる面が増えます。断熱性能が十分でないと、同じ「家」でも体感がまったく違います。
「トイレ、もう一つあればよかった」
家族が増えたり、子どもが小学生になって朝の時間帯が忙しくなったりすると、トイレや洗面台の数が足りないと感じる方もいます。特に2階建てで1階にしか水回りがない場合、「もう一つあれば」という声をよく聞きます。
図面や写真ではわかりにくいことです。「住んでみてわかった」というのは、情報ではなく暮らしの実感から生まれるものです。
3. 先日の相談:マンションを売って一戸建てへ
少し前に事務所へ家のご相談に来てくれた話です。7〜8年前に購入した中古マンションを売って、一戸建ての購入を考えているご家族が相談に来てくださいました。
不動産屋さんも数件回ったのでしょうか、数件の物件情報のチラシを持って「今の物件が希望の金額で売れたら、どのくらいの一戸建てが買えますか?」「このチラシの物件より、もう少し広いリビングが欲しいんですが……」と
そんなお話から始まりました。
正直なところ、まだ「暮らしをどうしたいか」というよりも、数字やスペックの話が中心でした。売れたらいくらになるか、そのお金でどんな家が買えるか。無理なく、損しないで住み替えができるかどうか。
それは当然のことで、何も悪いことではありません。住み替えを考えるとき、最初に数字から入るのはごく自然な流れです。
ただ、話を聞きながら僕が思ったのは、「この先、この家族がどんな暮らしをしたいかを、一緒に考えていける相談相手になれたらいいな」ということでした。
「広いリビングが欲しい」という言葉の裏に、どんな暮らしのイメージがあるのか。友達を呼びたいのか、子どもが走り回れる空間が欲しいのか、夫婦でゆっくりできる場所が欲しいのか。それによって、リビングの「広さ」の意味も、間取りの正解も変わってきます。
4. 「広いリビング」の先に、どんな暮らしがありますか?

家を探す・建てるとき、僕たちはどうしても「情報」を先に見てしまいます。
広さ、価格、駅からの距離、築年数、断熱性能、UA値——どれも大切な情報です。でも、それらはあくまで「手段」であって、「目的」ではありません。
目的は、自分たちらしい暮らしを実現することです。
住んでみて気づく「ズレ」の多くは、情報を見ながら家を選んだけれど、暮らしのイメージが先にあいまいだったことから生まれます。逆に言えば、「自分たちはこう暮らしたい」というイメージを先に持っておくと、選ぶべき家の輪郭がずいぶん変わってきます。
僕自身、18年前に「リビングの広さ」にこだわったのは、友達家族を呼んで食事をしたかったからです。そのイメージがあったから、広さを迷わず優先できました。そして後悔はありません。楽しい思い出が詰まったリビングです。
家づくりや住み替えの相談は、数字から始まっても構いません。でも、どこかで必ず「どんな暮らしがしたいか」という話になります。そのとき、一緒に考えてくれる人が近くにいるかどうかが、後悔しない家選びの分かれ目になると思っています。
僕はそういう相談相手でありたいと思っています。
まとめ
家を買う前は「情報(価格・広さ・スペック)」を見がちだが、住んでから気づく「ズレ」は暮らしの実感から生まれる
「リビングを広く」「吊り戸棚をなくせばよかった」「トイレがもう一つあれば」——これらはすべて、暮らしてみて初めてわかること
住み替えや家づくりの相談は数字から始まっていい。でも「どう暮らしたいか」を一緒に考えてくれる相談相手を、早めに見つけておくことが大切
FAQ
Q. マンションから一戸建てに住み替えると、やっぱり寒くなりますか?
A. 一戸建ては外気に接する面積が多くなるため、断熱性能が低いと寒く感じることがあります。ただし、断熱・気密の性能をしっかり確保した家であれば、マンションと遜色ない快適さを実現することもできます。住み替えを検討する際は、断熱性能も確認のポイントに入れることをおすすめします。
Q. 間取りで後悔しないために、事前に何を考えておけばいいですか?
A. 「どんな趣味を持ちたいのか」「仕事から帰って、玄関開けて、ココで上着を脱いで、カバンをおいて・・・」「朝の時間帯に家族が何人同時に動くか」など、日常の具体的なシーンを思い浮かべることが大切です。広さや収納の数よりも、暮らし方のイメージを先に持っておくと、後悔しにくくなります。
Q. 中古マンションを売って一戸建てを買う場合、まず何を相談すればいいですか?
A. 「今の物件がいくらで売れるか」「手元に残る資金はいくらか」「それで希望の家が実現できるか」という資金計画の確認から始めるのが自然な流れです。ただ、並行して「新しい家でどんな暮らしをしたいか」も整理しておくと、選択肢がぐっと絞りやすくなりますし、家づくりの一番楽しいところです。数字と暮らし、両方の話ができる相談先を探してみてください。
Q. リビングの広さは何畳あれば十分ですか?
A. 家族の人数や暮らし方によって異なります。広いリビングが理想ですが、都会の狭小地ではなかなか難しいです。例えば友人家族を招いて食事をする機会が多い場合は、リビングとダイニングテーブルを繋げる工夫や、夫婦2人でコンパクトに暮らしたい場合はリビングより趣味の個室を設けたり、動線の効率を重視するほうが快適なことも。「何畳が正解」よりも、「どう使いたいか」から考えることをおすすめしています。
ご相談
「うちの場合、どうすればいいんだろう?」
そう思ったら、気軽に話しかけてください。資金計画でも、間取りの相談でも、「こんな暮らしがしたい」というふんわりしたイメージでも、全部お聞きします。
大阪市港区を中心に、地元に根ざした家づくりのご相談を承っています。
*かねしろ匠舎 代表 金城卓哉*




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