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助けているつもりが、助けられていた。

全盲の彼女との出会いが、私に教えてくれたこと

 週に一度、通っている勉強の場があります。そこで顔を合わせる女性のことが、ずっと頭の中に残っています。糖尿病が原因で視力を失った彼女は、毎週変わらず笑顔でその場所に現れます。「この人、強いな」と感じていました。でも最近、もっと大切なことに気づきました。私は彼女を「いつでも助けるで」そんなつもりでいたけど、ずっと助けられていたんだ、と。

手で持たれた赤い水玉のキノコ形キーホルダー。笑顔の顔つきで、背景は室内の床とマット。
きのこ姉さん。残り少ない商品を購入しました。

毎週、元気な顔を見せてくれる彼女のこと


 いろんな年代、いろんな仕事の人が集まって学ぶ場所に、毎週顔を見せてくれるイラストレーターの女性がいます。そんな活躍する彼女をみんなは「yuka yuka」とか「yuka yukaちゃん」と声を掛けます。


 彼女は、6歳の時に発症した一型糖尿病が原因で27歳で視力を失いました。全盲です。でも毎週、明るい声で「おはようございます」と言いながらやってきます。



 彼女には、毎週朝、迎えに行く顔も気持ちもカッコいい友人がいます。いつも横に寄り添うその友人は、さりげなく腕を差し出し、彼女が腕をつかむと、静かに「こっちやで」と誘導する。その自然さや優しさが、毎回印象に残ります。

「大変だな」って思う反面、でも2人の間にはなんとも言えない信頼感があって——。それを見るたびに、「いいな」と思っていました。


じつは私も腕を差し出しています(^^


 自慢ではないですが、私も白杖を持っている方を見かけると、なるだけ声をかけるようにしています。「お手伝いしましょうか?」と声を掛けると、「大丈夫です」と言われることもあるし、「ありがとうございます、お願いできますか」と言っていただけることもある。


 行き先を聞いて、横断歩道を渡り、駅の改札まで一緒に歩く。ほんの2〜3分のことです。でも帰り道、なんとなく背筋が伸びる感じがします。

 人の役に立てた。そういう、ちょっとした誇らしさ。「いいことをした」という、小さな充実感がありました。

屋外のベンチ脇に白杖が斜めに置かれ、砂利道と草地に影が落ちている。
これを頼りに歩く。スゴイ・・・

でも、気づいてしまった


 ある日、彼女の話を聞かせてもらう機会がありました。

 彼女の指輪が大きく、キャラクターに見えたので

「その指輪、なんのキャラクターなん?」と聞いてみました。


「"きのこ姉さん"です。世界中で愛されるキャラクターにするのが夢なんです。」


「やっぱりオリジナルやったんや。」


「はい、ちゃんとヒストリーがあるんですよ。この子ヒゲが生えてるんですよ。」


「乙女やのにヒゲ?中性的ってこと?」


「コンプレックスを受け入れてる、ありのままの自分を認めて、受け入れて、自分自身を愛する象徴なんです。」


 失明という現実を受け入れ、毎週笑顔で人の輪の中に入ってくる。そこに誰がいるかわからない不安、場所や雰囲気がわからない不安・・・その姿に毎週、簡単に言葉にできないものがあります。

 でも、そのときに「人の強さ」について毎回、気づかせてもらいます。


 彼女は腕を頼りに歩くとき、その腕を完全に信じています。どこへ連れて行かれるかも、前に段差があるかも、右に曲がるのか左なのか——すべて友人に委ねている。見えない世界で、100%信頼して頼ってくれているんです。


 それって、どれだけの強さが必要か。「任せる」って、実はすごく難しいことだと思うんです。ただ「任せる」ではなく、「信じて任せる」。


 私は、仕事でも、趣味でも、何かの用事でもできることなら自分でやりたい。自分の目で確かめたい。自分でコントロールしたい。見えていても、手放すことをためらう。「本当に大丈夫かな」と不安になる。

 それなのに彼女は、見えない世界の中で、その「手放す」ことを毎週自然にやってのけている。


 私を助けているんじゃない。彼女の「任せる強さ」が、私たちを頼れる人間にしてくれている。

窓辺の室内で、男児2人と大人男性が座ってくつろいでいる。木床の部屋で、外に校舎とプールが見える。
施主さんの子供たちと雑談

助けているつもりが、助けられていた


 彼女の強さ。それは間違いありません。

 でも不思議なことに、目の不自由な方の手を引いて歩いた後、私は「勇気が出た」と感じることがあります。声を掛ける不安。変なとらえ方をされる不安。断られる不安・・・。


 でも、弱さを隠さず、人を信じ、笑顔で生きている彼女やそんな生き方をされている方の姿が、私の背中を押してくれる。「信じてくれているんだ。自分もちゃんとやるぞ」という気持ちになる。


 助けているつもりが、助けられていたんです。

 これは決して特別なことじゃないと思います。


 誰かの力になろうとしたとき、実は自分の方が何かをもらっている。頼られることで、自分が引き締まる。「ちゃんとする」という気持ちが自然と出てくる。


 強い彼女が、私の腕を頼ってくれる。その事実が、私に勇気をくれている。目的の場所まで着いたときに「ありがとうございます」。いやいや「ありがとう」と言いたいのは、こっちの方やな——と、本気でそう思っています。


工務店の仕事も、同じだと気づいた


 彼女のことを考えていたら、ふと自分の仕事のことが頭に浮かびました。

 家づくりって、すごい信頼の仕事やと思うんです。

 お客様は、自分では建てられない。構造のことも、断熱のことも、職人の段取りも、ほとんど分からない状態で私のところへ来てくれます。でもそれでも、「お願いします」と言ってくれる。何百万、何千万というお金を預けて、何十年も住む家を、私に委ねてくれる。


 それって、彼女が私の腕を信じて歩いてくれるのと、同じことじゃないか。

 見えない。分からない。でも信じて、任せてくれる。

 そして家が完成したとき——お客様は「ありがとう」と言ってくれます。

 こっちが「ありがとうございます」と言いたいのに、向こうが「ありがとう」と言ってくれる。

 お金をいただいて、さらに感謝までしてもらえる仕事。

 こんなに恵まれた仕事、他にそうあるだろうか——と、本気でそう思います。

 私は家を建てているんじゃない。お客様の「任せる強さ」に、ずっと育ててもらっているんだと思います。

 大阪市港区でこの仕事を続けて25年以上。気づけばいつも、助けているつもりで、助けてもらっていました。


まとめ

  • 「助ける」ことは、助けられること。頼られることで、人は自分の力に気づかせてもらえる。

  • 100%任せてくれる人の「信頼の強さ」は、受け取った側の力になる。見えなくても、人を信じ切れること——それ自体が、すごい強さだ。

  • 工務店の仕事は、お金と「ありがとう」の両方をいただける稀な仕事。お客様の信頼に、私は育ててもらっている。


よくある質問


Q1. かねしろ匠舎はどんな工務店ですか?

A1. 大阪市港区を拠点に、新築・建替え・リフォーム・マンションリノベーションを手がける工務店です。代表の金城卓哉が打ち合わせから現場管理まで一貫して担当します。家づくりの経験は25年以上です。


Q2. 相談だけでも大丈夫ですか?

A2. もちろんです。「まだ何も決まっていない」「話を聞いてみたいだけ」という方も大歓迎です。つくる人間が直接話を聞きます。まずはお気軽にどうぞ。


Q3. 港区以外でも対応できますか?

A3. 港区を中心に、事務所から車で20分圏内のエリアであれば対応可能です。まずはご相談ください。


Q4. 新築の場合、相談から完成までどのくらいかかりますか?

A4. 土地の状況・仕様によって異なりますが、ご相談から着工まで6〜12ヶ月、着工から完成まで4〜6ヶ月が目安です。詳しくはお問い合わせください。



ご相談・お問い合わせ

「家のこと、まだよく分からないけど聞いてみたい」——そんな気持ちで十分です。

つくる人が、話を聞きます。

かねしろ匠舎(かねしょうこうむてん株式会社)

大阪府大阪市港区市岡1-5-16

代表:金城卓哉 TEL:06-6575-9151

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